
鑑賞No:03020
製作:2021年/日本/113分
監督:吉田大八
出演:大泉洋/松岡茉優/宮沢氷魚/池田エライザ
出版不況の波にもまれる大手出版社「薫風社」では、創業一族の社長が急逝し、次期社長の座をめぐって権力争いが勃発。そんな中、専務の東松が進める大改革によって、売れない雑誌は次々と廃刊のピンチに陥る。カルチャー誌「トリニティ」の変わり者編集長・速水も、無理難題を押し付けられて窮地に立たされるが・・・・。
「罪の声」などで知られる作家の塩田武士が大泉洋をイメージして主人公を「あてがき」した小説を、大泉の主演で映画化した作品。ストーリーとしては、ある出版社における権力闘争と出版不況下における改革による生き残りを賭けた大泉演じる編集長を中心に挑戦するさまを描いたものだが、それなりに内容は面白かったものの、見慣れた内容で新規性は乏しかった。ただ、観ていて期待していたのは予告編による宣伝内容だった。2015年製作の松田翔太・前田敦子主演の「イニシエーション・ラブ」の予告編を彷彿させるような本作の予告編で、全員が嘘つき、ラスト15分での大ドンデン返しがあるかの如くPRしていたが、「イニシエーション・ラブ」のような衝撃のラストはなく、想定内の結末。映画で騙されたというよりは予告編に騙されたといった感じが強い作品だった。なお、大泉演じる速水のもとで新人編集者・高野を演じた松岡茉優は本作で第45回日本アカデミー賞優秀主演女優賞を獲得している。(この年の最優秀主演女優賞は「花束みたいな恋をした」の有村架純)
劇場公開日 2021年3月26日
