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2020-05-22

竜馬暗殺

★★★(3.0)
w竜馬暗殺
鑑賞No:02979
製作:1974年/日本/118分
監督:黒木和雄
出演:原田芳雄/石橋蓮司/中川梨絵/松田優作

慶応3年11月13日、海援隊の常宿・酢屋から近江屋へ身を移す坂本竜馬。大いなる野望に燃える竜馬であったが、大政奉還後の権力闘争の狭間で、佐幕派はもちろん、勤皇派からも煙たがられる存在となっていた。身の危険は誰よりも感じていながら、近江屋での竜馬は意外なほど落ち着き払っていた。しかし、2日後に暗殺される竜馬には、この時すでに刺客の手がすぐそこまで近づいていた・・・・。

京都・近江屋で中岡慎太郎とともに刺客によって暗殺される坂本龍馬の暗殺までの3日間を描いた作品。龍馬は司馬遼太郎の「竜馬がゆく」によってかなり脚色された幕末のヒーローだが、本作の龍馬は世間の龍馬観とはまた異なった、より生々しい人間臭さを醸し出した男として描かれている。にも関わらず、「龍馬」ではなく、小説の「竜馬」を採用しているのは、「竜馬がゆく」へのオマージュだろうか。また、中岡慎太郎との微妙な仲を柱の一つとして描いているjのも特徴的。武闘派のイメージが強い中岡晋太郎を、リーダーシップのない優柔不断な男として描き、竜馬との微妙な仲が柱の一つとなっている。あと、松田優作の存在感も大きい。刑事ドラマ「太陽にほえろ!」にジーパン刑事役で出演していた時期と同じくして本作に出演しているため、演技に共通点が多々見いだせるのも面白い。作品としては新選組や薩摩藩など有力な犯人説を取り上げながら、犯行は一瞬で犯人が誰だか明かさない、史実と同様の結末に終わっているのはちょっと消化不良。

劇場公開日 1974年8月3日



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2020-05-11

狼よさらば

★★★+(3.5)
w狼よさらば
鑑賞No:02976
原題:Death Wish
製作:1974年/アメリカ/94分
監督:マイケル・ウィナー
出演:チャールズ・ブロンソン/ホープ・ラング

ニューヨークの会社員ポール。ある日、彼のもとに1本の電話が入る。それは、妻と娘が病院に運び込まれたという信じられない知らせだった。そしてポールが病院へ駆けつけた時には、妻は死亡していた。そこで、妻が何者かに襲われた挙げ句に殺され、娘も暴行されたことを聞かされたポールは憤り、悲しみに打ちひしがれる。そんな時、ひょんなことから銃を手に入れたポール。彼はその銃を密かに携え、公園で襲いかかってきたチンピラを射殺。これをきっかけに沈鬱な状態が吹っ切れ、以来、次々とチンピラたちを仕留めていくポールだが・・・・。

チャールズ・ブロンソンが脂の乗った人気絶頂の頃の作品で、全5作からなる「Death Wish」シリーズの第1作目にあたる。物語は非常に単純で、3人組の暴漢に妻と娘が襲われ、妻が殺され、娘は暴行されるという事件が起こり、その後、成り行きで手に入れた拳銃を使って街のゴロツキを次々と殺していくというストーリー。ただ、妻と娘を襲った3人組を探して復讐するわけではない。結局、この3人組は事件を起こした後、最後まで登場してこない。ちなみに3人組の中に若き日のジェフ・ゴールドブラムが出演している。これがデビュー作らしい。主人公は敢えて暴漢に襲われやすい状況を作り、襲ってくるゴロツキを次々殺すという、被害者になるゴロツキは偶然性によるものが強い。また、この連続殺人によって強盗事件の数は減っていき、世間からはヒーロー扱い、警察も敢えて主人公を逮捕しようとはしない。明確な目的が示されないまま、悪党にとっては恐るべき処刑人と化していく主人公からはもはや妻や娘の姿は消えている。参考までにシリーズ2作目以降の作品タイトルは、「ロサンゼルス」、「スーパー・マグナム」、「バトルガンM-16」、「狼よさらば 地獄のリベンジャー」。

劇場公開日 1974年11月2日



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2020-05-02

聖獣学園

★★(2.0)
w聖獣学園
鑑賞No:00304
製作:1974年/日本/91分
監督:鈴木則文
出演:多岐川裕美/山内えみ子/渡辺やよい/大谷アヤ

修道尼だった母・美智子の死因をつきとめるべく修道院に入ることを決意した多岐川魔矢は、夜の手配師青木健太に体を与えた次の日、セントクルス修道院の肋修女となった。院長小笠原綾、副院長松村貞子に助修女の部屋に案内された魔矢は、少年刑務所出身の石田松子と同室になり意気投合する。そんな魔矢と松子が、松村に逆らう態度を見せたために、松村は、修道尼の美恵に彼女たちの監視を命令するが・・・・。

修道尼だった母親の死に不審を抱いた娘が修道院に入り、真相を突き止めて復讐するという、ありきたりなストーリー。さすがに女の園というか、女の世界なので、宗教観とも絡まって陰湿な仕打ちや禁断の関係など、エログロシーンは満載。ただ、さほど興味深い内容ではなかった。この映画を有名にしたのは、何と言っても、多岐川裕美のデビュー主演作であり、唯一のヌードシーンがあるからです。もちろん、デビュー作ですから、その当時は無名の新人だったはずですが、とはいえ、その脱ぎっぷりは、その後の名声からは驚きの一言です。

劇場公開日 1974年2月16日



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2020-01-14

ボルサリーノ2

★★★+(3.5)
wボルサリーノ2_tate
鑑賞No:00225
原題:Borsalino and Co.
製作:1974年/フランス/110分
監督:ジャック・ドレー
出演:アラン・ドロン/リカルド・クッチョーラ

僚友フランソワ・カペラを失ったロッコ・シフレディは哀しみを隠そうとはせず、その表情にはある硬い決意もうかがわれるようだった。それから三ヵ月後、フランソワの復讐をとげるつもりのロッコをファンティ警部が訪ねて来て、フランソワ殺害の黒幕はマフィアのボルポーネ兄弟の弟の方のラルティグだと告げた。ロッコはただちに腹心の部下フェルナンを伴って始末した。この事件を契機にロッコとボルポーネの血で血を洗う抗争の幕が切って落とされる・・・・。

私が子供の頃、2枚目映画スターの代名詞はアラン・ドロンだった。そして私が観たドロンの映画の中でそれを証明している象徴的な映画がこの作品だ。前作はジャン・ポール・ベルモンドと2枚看板で出演していたが、ラストでベルモンドが演じていたカペラが殺される。そのため、本作はその復讐が主体となるが、1人になってもその輝きが萎むどころか、より痺れるクールさを見せる。「太陽がいっぱい」は名作だと思うが、個人的にはアラン・ドロンの代表作は1作目と併せた「ボルサリーノ」である。

劇場公開日 1975年2月8日



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2019-10-04

タワーリング・インフェルノ

★★★★★(5.0)
wタワーリング・インフェルノ
鑑賞No:00141
原題:The Towering Inferno
製作:1974年/アメリカ/165分
監督:ジョン・ギラーミン
出演:スティーブ・マックィーン/ポール・ニューマン

サンフランシスコに138階建ての超高層ビルが完成。その落成パーティの最中に、81階から出火し、ビルは大パニックになる。ビルの設計者や消防隊長らはビルに残された人たちを救出すべく、思い切った作戦に打って出る・・・。

1970年代のパニック映画の代表作。CG技術の発達で最近は迫力あるシーンが容易に制作できるため、今観るとさほどではないが、やはり当時の映画としてはとても迫力のあった映画と思われる。本作は子供の頃もっぱらTV放映で観ていたが、子供ながら興奮して観ていた記憶がある。超高層ビルと手抜き工事という組み合わせで起こる大惨事という、パニックものとしては非常に現実性のある設定なので、単なる映画と捉えず、改めて関係者には一つの警鐘として捉えて欲しい映画。

劇場公開日 1975年6月28日



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2019-06-28

最後のブルース・リー/ドラゴンへの道

★★★★+(4.5)
w最後のブルース・リー_ドラゴンへの道
鑑賞No:00085
原題:The Way of the Dragon
製作:1974年/香港/100分
監督:ブルース・リー
出演:ブルース・リー/ノラ・ミヤオ/チャック・ノリス

友人のチェンの助けに応じてイタリアにやってきた中国人青年タン・ロン。チェンは中華レストランを経営していたが、マフィアに狙われ、立ち退くよう、毎日のように嫌がらせをされていたためだった。レストランの従業員は突然やってきたタン・ロンを最初は快く思っていなかったが、嫌がらせにやってきたチンピラたちをアッという間に倒したタン・ロンに心酔していく・・・・。

個人的にはブルース・リー映画の中でも最も好きな1本。ブルース・リーの魅力が120%表現された映画といえる。ブルース・リー演じるタン・ロンの芸術的な強さもさることながら、普段のあの人懐っこい笑顔がたまらない。そして敵に向う時、一瞬であの笑顔は消え、キリリと引き締まった顔に変貌する瞬間、たまりませんね。最後の、チャック・ノリスとの一騎打ちも見どころの一つ。

劇場公開日 1975年1月25日



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2019-06-17

ゴッドファーザーPART Ⅱ

★★★★★(5.0)
wゴッドファーザー PARTⅡ
鑑賞No:00079
原題:The Godfather Part II
製作:1974年/アメリカ/202分
監督:フランシス・F・コッポラ
出演:アル・パチーノ/ロバート・デ・ニーロ

亡き父の跡を継いだマイケル・コルレオーネは、根拠地をネバダ州に移し近くにあるラスベガスを手中に収めようと考えていた。そんな最中、マイケルの一人息子アントニーの聖さん式の夜、マイケルの部屋に機関銃が乱射される。暗殺指令がマイアミのボス、ハイマン・ロスから出ていることを知ったマイケルは、ロスを処分すべく動き出す・・・。

私の観た映画の中でも傑作のひとつであり、大好きな映画でもある。マイケルが宿敵を倒しながら勢力を拡大する過程の中に、若き日の父ビトー・コルレオーネを描くという見事な構成で観るものを惹きつけている。マイケルを演じたアル・パチーノもかっこいいが、何といってもビトー役を演じた若き日のロバート・デ・ニーロはかっこよすぎる!(今はあまり面影が残っていないが・・・)本作品は単なるマフィア映画に留まらず、最も重要で大切な家族・ファミリーを守るために戦う男を描いているが、それ故に愛しき人を失い、挙句の果てには殺してしまわなければならないという悲哀を描く、何とも辛く悲しい物語でもある。

劇場公開日 1975年4月26日



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2017-06-07

サブウェイ・パニック

★★★★
サブウェイ・パニック
鑑賞No:01402
原題:The Taking of Pelham One Two Three
製作:1974年/アメリカ/100分
監督:ジョゼフ・サージェント
出演:ウォルター・マッソー/ロバート・ショウ

ニューヨークの地下鉄が4人組の男にハイジャックされ、17人の乗客と車掌1人が人質となる。犯人グループは身代金として市長に百万ドルを要求、1時間以内に用意しないと1分遅れるごとに人質1人を殺すと通告してきた。本件を担当することになった地下鉄公安局のガーバーは犯人と必死の交渉をするが・・・。

大ベストセラーとなったジョン・ゴーディの同名小説の映画化。全く妥協しない犯人グループの首領ブルーを相手に緊迫した時間が流れ、結構ドキドキしながら観れる。ストーリーもハイジャック事件そのものだけに焦点を当て、よくありがちな犯人や人質たちといった人間そのものをあまり描いていないため非常に無駄のないスッキリした構成になっている。また身代金受け取った後の逃走方法をどうするかが本作品の一番の鍵だが、うまくタイトルと掛け合わせたトリックだった。ウォルター・マッソー特有の表情で終わるラストも印象的。

劇場公開日 1975年2月8日

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2016-05-22

大地震

★★★+
大地震
鑑賞No:00734
原題:Earthquake
製作:1974年/アメリカ/123分
監督:マーク・ロブソン
出演:チャールトン・ヘストン/エヴァ・ガードナー

ロサンゼルスの建築会社副社長のスチュアート・グラフと妻のレミーとの関係は冷え切っていた。レミーの父が会社の社長サム・ロイスの娘であり、それを鼻にかけ彼を軽んじていたせいもあるが、スチュアートが死んだ同僚の未亡人デニス母子の面倒をみていることに嫉妬していたせいもあった。そんな折、ロサンゼルス一帯を大地震が襲い、社長のサムは死亡する。レミーもデニスも生き埋めとなり、スチュアートは救出に向うが・・・。

1970年代にロサンゼルスで実際に起こった大地震を基に描いたパニック映画。パニック映画全盛の頃の映画らしいといえばいえなくもないが、パニックだけ目立ってあまりストーリーらしいストーリーはなかったよう。まぁ、大地震が来たらストーリーもくそもないというのが実際かもしれないが、もう少し人間ドラマがあってもよかったかも。ヒットはしたみたいだが、「タワーリング・インフェルノ」や「ポセイドン・アドベンチャー」のような名作感がイマイチないのもそのせいかも。

劇場公開日 1974年12月14日



(キャスト一覧)
チャールトン・ヘストン(Stewart_Graff)
エバ・ガードナー(Remy_Graff)
ジョージ・ケネディ(Lew_Slade)
ローン・グリーン(Sam_Royce)
ジュヌビエーブ・ビヨルド(Denice_Marshall)
リチャード・ラウンドトゥリー(Miles_Quade)
マージョー・ゴートナー(Jody)
バリー・サリバン(Dr.Willis_Stockle)
ビクトリア・プリンシパル(Rosa)


  1. 洋画-た

2015-01-21

仁義なき戦い・完結篇

★★★+
仁義なき戦い・完結編
鑑賞No:00494
製作:1974年/日本/98分
監督:深作欣二/皆川隆之
出演:菅原文太/小林旭/北大路欣也/松方弘樹

警察の“頂上作戦”で幹部連中が大量に検挙された後、大友組が勢力を回復、広島やくざ組織は、山守組、打本会、大友組の三巴の対立となっていた。だが、山守組最高幹部の武田明は警察の目を欺くために山守義雄を会長に、傘下の組や近郊都市の組織までも大同団結させて、政治結社「天政会」を発足させた。しかし、武田ら主流派と大友勝利ら反主流派が対立し・・・・。

広島抗争を描いたシリーズの完結篇であるが、予定していた第二次広島抗争まではすでに「仁義なき戦い 頂上作戦」で描き切っていたにもかかわらず、映画が続けてヒットしていたため、急きょ作られたもの。そのため、「広島死闘篇」で主役を食うほどの鮮烈な印象を残した大友勝利役の千葉真一が別作品の撮影のため出演できず、宍戸錠に代わったのは残念。内容も第三次広島抗争を描いたもので、新旧交代の感が強く、菅原文太や小林旭の露出度は低く、北大路欣也演じる松村保が中心に描かれている。1つの時代の終わりを感じさせるラストだが、また新たな若い勢力の台頭は続くことを予感させ、ヤクザ社会の終わりはないことを無言で訴える空しい最後である。


  1. 邦画-し

2015-01-08

仁義なき戦い・頂上作戦

★★★★
仁義なき戦い 頂上作戦
鑑賞No:00491
製作:1974年/日本/101分
監督:深作欣二
出演:菅原文太/小林旭/梅宮辰夫/黒沢年男

昭和38年春/西日本広域暴力団明石組と、ライバル神和会との代理戦争とも言うべき広島抗争は、激化する一方だった。明石組系の打本組(広島)と広能組(呉)、神和会系の山守組(広島)の双方は、はっきりと対立の様相を呈していた。相次ぐ暴力事件への市民の批判は高まり、警察は暴力団撲滅運動に乗り出し“頂上作戦”を敷くが・・・・。

シリーズ第4部。主演は広能を演じる菅原文太だが、前半で広能が逮捕されシャバの舞台から消えるため、後半は小林旭演じる武田を中心に描かれている。内容は前作に続き、第二次広島抗争を描いているが、これまではヤクザVSヤクザという対立構造だけだったのに対し、これに加え本作では警察やマスコミも絡んできてより面白くなってきている。シリーズ通して曲者ぶりを如何なく発揮する金子信雄演じる山守は相変わらず健在だが、これに負けない曲者ぶりを見せる加藤武演じる打本も見逃せない。敵対しながらヤクザとしての生き方には相通じる広能と武田のラストでの再会シーンはやはり見逃せない名場面。


  1. 邦画-し

2014-04-02

伊豆の踊子

★★★

鑑賞No:01017
製作:1974年/日本/82分
監督:西河克己
出演:山口百恵/三浦友和/中山仁/佐藤友美


大正末、天城に向う山道で一高生の川島は旅芸人の一行5人に出会う。彼らは三味線や太鼓、唄や踊りで温泉場の客を相手に生計をたてていた。一行の中のかおると名乗る美しい少女は踊り子だったが、下田まで川島と一緒に旅ができると知って喜んでいた・・・・・。


いわずと知れた川端康成原作の同名小説の映画化で、山口百恵の第一回主演映画としても有名。製作が1974年なので、山口百恵が15歳くらいの時の作品である。さすがにま幼さが残り、演技的にもどこかぎこちなく、素人っぽさが感じられるが、それが逆に汚れを知らない少女かおるにピッタリで、原作のイメージを上手く出していたのではないかと思われる。最近、邦画はどこかまったりした緩い系の映画が多く、それはそれで何か忙しない現代の一服の清涼剤となっているが、この映画はゆったりとした中にもどこか古き日本の情緒とか風景を見せてくれる、最近の邦画とはまた違った品位ある作品である。


伊豆の踊子-1



  1. 邦画-い

2013-10-03

砂の器

★★★★★
シネマ大好き!
鑑賞No:01686
製作:1974年/日本/143分
監督:野村芳太郎
出演:丹波哲郎/森田健作/加藤剛/緒形拳


国鉄蒲田操車場構内で轢死体が発見されるが、被害者の身元が分からず捜査は難航を極める。そして警視庁の今西刑事と西蒲田署の吉村刑事の必死の聞き込みにより得たのは、被害者が東北訛りであることと“カメダ”という言葉が唯一だった。この“カメダ”を地名と推測した2人は秋田県にある亀田という土地を洗いに行くが何の手がかりも得られなかった。被害者の身元すら分からず、迷宮入りかと思われた矢先、被害者の息子と名乗る男が現れる・・・・。


「点と線」と並ぶ松本清張の傑作推理小説の映画化。「点と線」が時刻表を使ったアリバイトリックに重点をおいた本格推理ものに比べ、こちらは少しずつ謎が解けていく形式を取りながら、単なる推理ものではなく人間ドラマに重点をおいたような仕上がりになっている。「東北訛り」と「カメダ」という手がかりだけで被害者の身元を洗っていく過程、被害者が分かってからは事件に遭遇するまでの足取りを追う過程、とても丁寧に分かり易く描いており、観る者への十分な配慮も感じられます。そしてその丁寧な描き方で、被害者の人物像を見事に浮き彫りにし、ラスト30分は捜査会議と演奏シーンと放浪する親子の3つのシーンが見事に絡み合い、事件の全貌と事件に至るまでの過程を見事描ききっています。原作、脚本、演出、そして俳優陣、すべてが一流で手抜きのない丁寧な作りゆえ、このような傑作が出来上がっていると感じました。それにしても35年前の作品ゆえ、丹波哲郎さんはじめ、皆さん若いですね。またすでに亡くなられた方も多くいて、懐かしい映画でもありました。


  1. 邦画-す